隣の彼女が厨二病だったんだけど。





神坂レイの後を追って体育館の外へと飛び出す。

しかしそこに彼女の姿はすでになかった。

となれば他の場所……そうだな、グラウンドとかじゃないだろうか。

何故なら戦闘の際、広い場所に移動したりすることが多いからである。(※高橋ラノベ調べ)

というわけでグラウンドへ向かって走る。

この際体育館からグラウンドに行く道はどうだったっけとかちょっと迷ったのは省くことにしよう。


とにかくグラウンドだと思う方へ走った。

風がぶわっと吹いてくる。

その中に黄色い砂を見つけた。

間違いなくグラウンドの砂だった。

目の前が開ける。


ザァッ…と。

砂が舞い上がった。


グラウンドの真ん中で、綺麗な黒髪がなびいていた。



「……神坂レイ!」


思わずそう呼んで駆け寄る。

砂嵐が風に飛ばされていく。

見えにくかった視界がクリアになると、数メートル先の凛とした立ち姿がよく見えた。

距離にして2メートルほど。



「……呼び捨て」


ぼそっと聞こえた神坂レイの言葉に、俺は思わず立ち止まった。


「……えーっと、あの、すっすんません!」

「……すぐに謝る気弱な君は、何故私を追いかけてきたの」