耳を裂くような音が響き渡る。
ドアが開いたのだ。
続いて椅子が倒れる騒音。
ガチャガタンッ!という騒々しい音に館内は凍りつく。
「きゃあっ!」どこかで女性の悲鳴が聞こえた。
直後に館内はパニックに陥る。
「なにがおきた!」
「なんだ!」
「おちついてください!」
椅子から立ち上がって逃げようとする生徒を教師たちが宥める。
体育館の外が異常な騒がしさで恐怖心を煽る。
外で何かが起きている。
なんだ、何が。
その時、ドアを開けて入ってきたのであろう人物が起き上がる様子が見えた。
倒れていたらしい。
慌ただしい人影の隙間からチラリと見えた“黒”に見覚えがあった。
立ち上がって確認しようとしたが、それを坂本が止める。
「厄介ごとに自分から首突っ込むな高橋。」
「いや、違う!入ってきた人が……」
神坂レイかもしれないんだ。
「……――動くなッ!!」


