それからはもう時間を持て余す暇もない。

光りフ○イバーもビックリな速さで支度をし、家を飛び出してきた次第である。

生まれて初めて坂本に感謝した瞬間だった。


「ありがとう坂本……お前が居なかったら俺は高校生活初日から心が折れるところだった……」

「感謝されることは満更でもないが、これから先が思いやられるな高橋。」

「坂本の辞書に謙虚の文字がないことは重々承知しているが、どういう意味だ」

「独り暮らしは起こしてくれる人など居ない。」

「頼んだ坂本!」

「だが断る。」


即答だった。

いや、いいんだ。わかっている。

坂本はそういうヤツなんだ。

しかたない、ここは自分の昼飯を毎日作るということでどうにかしてみようじゃないか。

自分が早起きして弁当を作らないと昼に食うもんがない。つまり空腹で瀕死状態のまま1日を過ごさなければならないわけだ。

これなら起きられる気がする!

我ながらナイスアイディアじゃねぇか高橋翔平よ!

……とか言ってるとたぶん起きられないフラグが立つ気がするので落ち着こう。

それを余裕で回収しそうな自分がニクイネ!


いやでも、今日はほら、昨日隣に引っ越してきたあの超絶美少女な神坂レイが気になって眠れなかったっていう事情が、


「そうだよそうなんだよ聞いてくれ坂本ッ!!」

「5文字でまとめられるなら聞いてやろう。」

「きのうとなr」

「アウト。」

「坂本のキチク度が中学時代よりレベルアップしている気がしてならない!!」