―真白。私はね、…自分の使命が、私が、…嫌いだよ。

冷たい水が頭に染み入る気がした。
クロの言葉は、あまりにも俺の胸を打った。

―そんなに嫌なら、逃げ出せばいいじゃないか。

無理なのは、知っていた。俺達は主の下で管理され、逃げることなどできない。なのにこんな無意味な質問をしたのは、…全く、何でだろうな。


ふふ、とクロは笑った。
―無理よ、そんなの。
―…それにね、確かに私はこの生まれもった使命が嫌いよ。
―でもね、私はまだここに居たいの。…何でかわかる?

わからないよ、と俺は答えたら、クロは、笑わないでね、と前置きしてこう言った。

―私ね、


主のことが、好きなの。



クロの発言を聞いて、俺は驚くよりも呆れるよりも、…呆けた。