体に走る衝撃
体に頭に痛みが伴う

跳ねた

空を飛ぶ翔る

またぶつかる
またぶつかる

当たる体何処に?何に?
痛い
痛い痛い痛い痛い

跳ねる体



最後の衝撃


今度は跳ねなかった。
ゴロゴロと体が転がり、何かに当たり、回転がやっと止まる。


主人の声が遠くから聞こえる。

―ここは何処だろう?
狭い場所 暗い空間

空気が冷たかった。

主人を探そうとして…、
止めた。


悟った。

気づいたのだ。

…もう、いいんだと。

ここに入れば、もう誰かを傷つけなくてもいい、殺さなくてもいい。

―消す必要はないんだ。


空を仰ぐ。

暗いこの空間で、さっきまで俺がいた場所からであろう光が、ぼんやりと見えた。

主人は俺を見つけられないだろう。

体を起こそうとして、思いとどまる。
元々自由の効かない体だ。意味はない。

冷たい地面に体を預けて、クロを想う。

クロは、使命という束縛から解放されたのだろう、きっと。

それなら、俺も。

目を瞑る。

最期に、『おつかれ』と
クロの声が聴こえた。