初恋ディジー



「お……降りるよっ!」


それからしばらくしてすぐ、目の前にさしかかった山道。


前に徹くんが希沙ちゃんを乗せた時、

『絶対負けねぇ』

と二人乗りで頑張ったけれど、結局途中でリタイア。


苦しそうにもがいていた徹くんを思い出したからそう言ったのに、榛名くんは漕ぎ続けたまま止まる気配がない。


「榛名くん」

と裾を引っ張ると。


「佐脇さんを乗せたまま、この坂を上れたら格好良くない?」


「え……」


「ギリギリまで上ってみたい」


サドルから腰を上げ、少し力んで立ち漕ぎを始めると坂道をグイグイ進んでいった。