「……そ、それじゃあお願いします」 ――もう、そう答える以外なかった。 「了解」 クスッと鼻で笑い、自転車のバランスを保つために両足を地面につけた。 「失礼します……」 横向きに腰かけると、少しだけ自転車が沈んだ。 「ちゃんと掴まって」 つ……掴まる? 「手放しだとそのうち落ちるよ?」 「……っ」 私は恥ずかしさを堪えながら 恐る恐る榛名くんの腰に両手を回した。