「線香花火じゃないんだからもっと楽しもうよ」 とあたしに火を向ける。 「きゃっ……危ない……」 「本気で狙ってないから大丈夫だって。一瞬ビクッとしたでしょ」 「……もう、榛名くんヒドイよ」 自然と笑みが零れる。 「――やっと笑った」 「え?」 「今日、まだ一度も笑顔を見てなかったから」 と榛名くんは言う。 私を笑わせる為に、ワザと花火を向けたのだと知る。