「――あ、見つけた!席にいないから探したよ」 ……ん? 応援席に戻ろうとした時。 グラウンドの階段を駆け下りてきた高木くんが、私達の姿を見つけるなりそう叫ぶ。 「何よ、紫苑。麻有に何か用?!」 私は特に警戒心は抱いていなかったけれど、さくらちゃんがあたしを守るように前に立ち塞がった。 「本山が何で警戒すんの。俺は佐脇さんに用があって来ただけで、手なんか出さないって」 そう言ってさくらちゃんを過ぎると、私の前に中腰になる。 ……な、何だろう?