「……ゴメン。ちょっと動けなくて」 「ううん」 両腕にドアに手を付いた彼。 それに挟まれる形で立つ自分。 ……何とも近い榛名くんとの距離。 ドキドキしすぎて心臓がもたない。 視線が気になったけれど、周りの人はそれどころじゃないみたいで自分の体を支えるのに必死だった。 「もう少し我慢してもらえる?」 「……だ、大丈夫」 自分の場所だけ、何だか他とは空気が違って見える。 チラッと顔を上げると、榛名くんと視線が重なった。