―――――――… 「うっわ……立派な家だなあ」 “佐脇”と書かれた表札のある家の前に着くなり、榛名くんがそう声をあげる。 「あの庭にあるのって何?」 「……あれはテラス。小さい時に私が1階の窓から転落したことがあって、それからすぐにあそこに作ったんだって……」 「そうなんだ。俺ン家なんか社宅だよ、社宅」 と羨ましそうに榛名くんが、家をマジマジと見つめていると。 ――――ガチャッ 「あ、麻有!お帰りっ!」 由真ちゃんが玄関から現れた。