『河村さん、お待たせしました。

必要な書類はこれだけですので、
階段上がってすぐの教室に行って下さい。
あと10分ぐらいで入学式始まりますから』


そう教えてくれたのは
20代半ばの事務のお姉さんに私は
おでこをさすりながら
はい、と返事をした。

なんでおでこをさすってたかと言うと、
先ほど車内で眠りに落ちそうだった私に
お母さんは遠慮することなく
デコピンを…






教室に入ると、
100人ぐらいは座れそうな広さに生徒が疎らに座っていた。

女子は私含め5人。

男子は4人。



適当に座ってるみたいだから
私も真ん中ぐらいの空いてる席に座る。



みんなそれぞれ好きなことやって、
携帯いじってる人もいれば、
すでに机に突っ伏して寝てる人もいる。



私はさっきもらった書類をパラパラめくりながら暇を持て余していた。



廊下から足音が聞こえてドアの方を見てると、

50歳ぐらいの白髪混じりの怖そうなおじさんが入ってきた。



『もう、みんな揃ってるかな?』

言いながら名前を呼び始めた。



『すいませ〜ん。遅くなりました〜』



2人組の男子が大きな声で入ってくるなり、

私の真ん前に座った。