天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ

「雪菜ちゃん」

月姫が声をかけると、その少女は顔を上げてこちらを見た。

佐伯 雪菜(さえき ゆきな)。

天神学園高等部1年。

地味で少々ナイーブな性格の為、龍太郎は彼女のような生徒がいる事は今まで知らなかった。

「コイツ、丹下 龍太郎っていうの。夏休み前半を補習で潰すようなスペシャルバカだけど、仲良くしてやって」

月姫の紹介に。

「スペシャ…ぷぷぷっ!」

雪菜は着物の袖で口元を隠して笑う。

月姫の紹介も紹介だが、雪菜も笑いすぎだ。

ムスッとする龍太郎に気づいたのか。

「あ、ごめんなさい笑ったりして」

雪菜はシャランと効果音を立ててカキ氷を取り出す。

「お詫びとお近づきの印に、これどうぞ」

「……おい」

龍太郎がタラリと汗を垂らす。

この暑い最中だ、カキ氷は確かに有り難い。

が…。

「それ…どこから出した…?」

「ああ」

同じように雪菜からカキ氷を受け取りながら、何食わぬ顔で月姫が言う。

「彼女雪女なの」