天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ

別にいい、と軽く断ったのだが、月姫は話を聞かない。

龍太郎を引き連れて校舎内に引き返し、スタスタとプールへと向かう。

「何でプールだ?」

「や、彼女暑いとこ苦手でさ」

「彼女?」

月姫の言葉に首を傾げているうちに、天神学園のプールに到着。

よくある50メートルプールだ。

水泳部も本日の練習は終えているらしく、既に部員はいない。

そんなプールサイドに、一人の少女がいた。

真っ直ぐな肩までの髪と瞳はアイスブルー。

この学園に似つかわしくない白の着物。

この暑さだ、涼をとっているのだろうか。

白い素足をプールの水の中に浸けて、チャプチャプやっている。

その水の表面が微かに氷を張っている事に、龍太郎は気づかない…。