天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ

それから五分ほど経過して。

「あ、よかったぁ、気がついた」

龍太郎は意識を取り戻す。

ひんやりとした雪菜の手が、龍太郎の額に添えられていた。

「ごめんね龍太郎君。私笑い出すと止まらなくなっちゃって」

雪菜が申し訳なさそうに詫びる。

「ああ…いや…」

体を起こしながら、龍太郎は頭を掻いた。

如何に相手が人外とは言え、女の子の前で脅えて失神とは格好悪い所を見られてしまった。

「何ていうか…その…雪菜」

バツが悪そうに龍太郎は視線をそらす。

「俺が失神した事、内緒な?」