天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ

一階の廊下を走り抜け、階段を駆け上がり、二階へ。

振り向くと。

「どこまで行くのよ龍太郎くぅん!」

雪菜は尚も追いかけてくる。

龍太郎を追いかけて走りながら、笑いながらなので、呼吸が上手くできないのだろうか。

雪菜はどこか苦悶の表情。

それがまたやけに怖い!

(うひぃいいぃいぃいっ!)

心の中で絶叫する龍太郎。

その拍子に。

「うおっ!」

足を縺れさせ、彼は廊下に転倒する。

(龍太郎君コケたーーーーーーっ!)

笑い上戸というのはスイッチが入ると、何を見ても可笑しくて仕方がないらしい。

箸が転がっても可笑しい年頃なのかもしれない。

恐怖の余り足を縺れさせて転倒した龍太郎に駆け寄って。

「きゃははははははははははははっ!」

その引き攣った顔を至近距離で見せつけながらの高笑い!