天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ

白衣のポケットから新しく煙草を一本取り出し、それを口に咥えて火を点けながら。

「…丹下に視線を送っていたのは、貴様だな?城山…」

郷は小夜に問いかける。

「……」

質問に素直に頷く小夜。

「何でそんなに龍太郎ばっかり見てたんだ?」

今度は秋雨の問いかけ。

小夜は言葉を発する事はない。

その代わり…。

『だって…』

小夜の瞳と表情が、言葉の代わりに雄弁に語る。

誰が見ても分かるくらいに、分かり易く顔に書いてあった。

『補習受けてる龍太郎君が心配で学園に見に来てみたら、月姫ちゃんや雪菜ちゃんや夕先輩と凄く仲良くしてて…私なんか夏休みに入る前からずっと龍太郎君の事見てるのに、全然気づいてもらえなくて…』

「まぁぶっちゃけ、小夜ちゃんストーカーなんだね…」

「変態さんなんだ…」

ヒソヒソと言う月姫と夕。

「お二人が言う事じゃないと思いますよ…?」

雪菜が苦笑した。