突如としてベッドの陰から現れた人影。

ちょうど薄暗い位置に面していた為、雪菜からはその人影が誰なのか、何なのかはわからない。

ただ。

「ひっ…!」

射抜くような眼光だけが、雪菜を捉えていた。

視線が交錯しただけで、震え上がってしまうような鋭い眼光。

獲物を横取りされた、餓えた獣のそれに酷似していた。