「郷先生の狐霊…クロとシロだったっけ?あの子達もこの学園で憑依したのかしら?」

夕が歩きながら言う。

「多分ねー。これだけ色んなのがいるんだったら、狐憑きくらい不思議じゃないかも」

月姫が先頭を歩きながら油断なく気配を窺う。

「よくこんな夜の学園で一人で宿直なんてするよ。俺には考えられないね」

相変わらず月姫の背中に隠れているのは秋雨。

「全く…龍太郎のせいで俺達までこんな薄気味悪い夜の学校に泊まる事になってさ」

「「……あ」」

秋雨の言葉で、夕と月姫が声を上げる。