…朝だ。

学校のある日とは一味違う、休みの朝。

誰にも邪魔されずに、自分の起きたい時に起きる、最高だね。

だから、もう少し起きるのは後にしよう。

今日は予定もないし。





……―コンコン。



扉を叩く音、同時に俺の幸せを奪う音に聴こえる。



「…だれ…?」

俺は、まだ眠詰まっている狭い喉から声を出した。


母さんだろうか?
もしかしたら、掃除機をかけに来たのかもしれない

普段ならありがたい事だけど、今では迷惑だ。



「起きてる?陸ー。」

その声を聴いて俺の頭は、急に働きだした。

「愛ねえ?」

「そうだよ、入るよ?」


愛ねえが俺の部屋に来るなんて珍しい。

借金の取り立てだろうか?けど俺は最近お金を借りた記憶はない。