屋上は夏を感じさせない涼しさで、妄想家の頭も落ち着いてきた。 しかし、空はまだ明るく夏の存在を堂々で示していて、携帯のディスプレイは18時を示していた。 もう、こんな時間か…。 そろそろ戻らないと愛ねぇが心配してるかもな…。 ……ん。 俺が階段に繋がる扉のドアノブにかけようとした手は空を切り、 代わりに無人の扉が開いて、そこですぐに俺も目的は果たされた。