静かな海の兄き

「夢…。」

つぶやく翔を

「え?」

優しい眼差しで見返す伯母

「ここ来るまで…
夢見てたんです…。

その夢で…宏史に会って…
いろんな話してくれて…。」

《翔。
お前に会えて よかったよ。》

また

翔の頭の中で

宏史の声が聞こえた。

「でも…
意味わかんなくて…
ここ来て…
宏史に会うまで…
意味わかんなくて…」

翔の目から

次々と涙が溢れ出る…

伯母は

そんな翔の背中をさすりながら

目には涙を溜めて

「今は…分かったの?」

と

優しく聞いた。

翔は

何度も頷いて

「会いに来てくれたんだって…
俺…
なんにも知らなかったのに…
会いに来てくれたんだっ!」

翔は

そう言って

座りこみ

声をあげて泣き出した。

…あの親近感も
安心感も…
兄弟だから…双子だからなんだ…

全ての事に納得できた翔は

声がかれるほど

泣き叫んだ…