A sweetheart is a ghost

やっぱり落ち着かなくて何度か目が覚めた。

たくさん寝てたということもあってなのかなかなか眠れない。

目を瞑って眠ろうとするけど寝付けない。


そんなときわたしのおでこに手が触れた。

亀川さんだ。

たぬき寝入りをしてたときだった。


「璃那…ごめんな…。」


バッと目をあけた。

そこにはいつもの…ううん、ちょっと違う潤一の姿。

それは歯からドラキュラのように歯が出て尖っていた。


「じゅ…──っ!!」


「バカ!!声出すな。あっちにあの人いるんだぞ。」


潤一は焦ってわたしの口を押さえた。

その状態でわたしはコクンコクンと二度程頷く。


「黙って聞いてほしい。」


潤一はそう言ってわたしの口から手を離す。

その言葉にまた頷くわたし。


「あと…7日。やっぱり俺は璃那のそばにいたい。でも俺…この歯は多分戻らないと思う…。これな…その……嫉妬したからなんだ。死んだ人間が生きた人間に嫉妬するのはタブーでさ。俺は璃那に嫉妬したんじゃない。璃那のそばにいれるあの亀川さんに嫉妬したんだ。悔しくて。俺が璃那を守りたいのに守れない悔しさで。」


あまりに突拍子もない話に目を見開いて固まっていた。


「それでその嫉妬をすると…醜い姿に変わる。」


潤一の言ってることは本当だとわかってる。

でも頭がついていかなくて…。


「それでも…璃那がいいならそばにいたい。こんな姿だしあと…7日だけど。」


そう言いながらわたしの頬に手を当てる。

その手をわたしは触って目を閉じた。


やっぱり潤一の体温だってわかってホッとした自分がいたから。

同時に涙まで溢れちゃって。

やっと会えて安心したから。