入院からしばらく経った ある昼下がり 私は病院の中庭にいた




「ねぇ…」




「えっ…」




「君 1人?」




「あ、はい」




「僕もその本好きなんだよね」




なに?この人?


これが私が彼に対する第一印象だった




そんなことを思いながら ぼんやりと彼の話を聞いていた




すると 手を差し出された




話を聞いていなかったわたしは[えっ!?]と言ってしまった




「だから仲良し握手♪」




「あっ、はい」




「君さ、遥ちゃんだよね?」




「はい」




「やっぱり!」




「なにがですか?」




「なあ、敬語止めてタメ語でいいから」




「うん。で、なんで私の名前知ってるの?」




「俺、遥ちゃんの部屋の前でどんな子だろと思ってたんだよね。」