「頼むから来てくれ」


「...分かった...」


凪斗が悲しそうな顔するから...


行くしかないじゃん、こうなったら


「とりあえず手、離してくれない?」


「嫌だね。お前、逃げる」


手を繋いだまま、歩き出す


「だからって...」


こんなとこ、杉下さんが見たら...


「細かいこと気にして、自分を1人で守んなよ」


「え?」


凪斗はあたしの1歩前を歩く


だから表情がよく分からない...


「俺に奈央を守らせてくれてもいいだろ?」


急に振り返ってあたしを抱き締める


「ちょっ!?」


「奈央のそばに居させてくれよ」


「そんなこと言われても...」


あたしと凪斗じゃ住む世界が違う...


「一緒に居ちゃ...いけないよ...」


「....」


「あたしと凪斗は...住む世界が違いすぎる...」


「...どう違う?」


「え...?」


さらに強く、抱き締められる