あたしは公園まで走った
やっぱりお母さんはあたしなんか大切じゃない...
要らない子なんだ...
「奈央」
その声にビクッと反応する
振り返ると淳が息を切らして立っていた
「淳・・・」
「泣いていいんだよ」
優しくあたしを抱き締める
「何言ってるの?あたしは泣かないよ」
「嘘つけ。心が悲鳴上げてんだろ」
「...ふっ...」
あたしは心から泣き叫んだ
「よしよし」
「淳って...凪斗みたいだね...」
「ん...」
すごく温かい...
「奈央、戻ろう」
「...やだ...」
あたしの手を握る淳
「大丈夫だから、おいで?」
「...帰りたくない...」
「んー、じゃああそこ、座ろっか」
ベンチを指差す
あたしは頷いてベンチに座った
ベンチはひんやり冷たかった

