香菜に今から行く、とだけ言って電話をきった
エレベーターを降りたらマンションの駐車場に黒の高級車がとまっていた
いかつい人でも住んでると思ってちょっとこわかった
「乗れ」
「へ?」
どれに?
「何まぬけな顔してんだよ。さっさと乗れ。学校終わるぞ」
そう。この高級車の持ち主は司だった
司って何者?
よく考えればこんな高そうなライオンズマンションだって同い年が一人暮らしを簡単にできるものじゃない
部屋の中だって高そうな家具が揃ってたし
この高級車だって…
あたしは車の中で真剣に考えてた
顔をしかめて…
そのあたしの顔を見た司は「顔こえーぞ」とあたしにいった
あたしは司を睨み
すいませんね
そう心の中で呟いた

