ふっと笑いながら 「慰めてあげよっか?」って。 たぶん、からかって 言っただけなんだろうけど その言葉が素直にうれしかった。 私は、甘えた子供みたいに その人に飛びついた。 ―――――腕の中は すごく温かくて、 やっぱりお母さんの匂いがした。 それがまた、私の涙腺を壊す。 その人は 何も聞かずにただ抱きしめてくれていた。