だけど、俺は教師でお前は生徒

「それは申し訳ないんですが、望みはないと言うしかないでしょうね」



「えっ……」



思わず立ち止まり、戸惑いを見せる堀池先生。



「俺、付き合ってる彼女がいますから」



「そんな……嘘……嘘ですよね?」



「嘘じゃないですよ。俺、マジで惚れてますから。その彼女に」



「私、信じません。だって、この前は彼女がいるなんて言ってなかったですよね?」



「あの時はそうでした。でも、今は幸せですよ。まぁ、近くにいてやれないのが悔しいですけど……」



「近くにいれないって? 離れて暮らしているんですか?」



「まぁ、そんなとことです」



「それならきっと、その彼女なんかより、そばにいてあげられる私のほうが三嶋先生を好きなはずです。どんな人なんですか?」



どんな人……。



澤村はどこにでもいるような普通の女の子。



だけど、気になって、いつしか好きだと実感して。



今では澤村なしではいられない。



堀池先生に言ってしまうのが、正しいことでないのは分かってはいた。



だけど、いつもの作り笑顔も限界にきていた。



もうこれ以上話していたら、平常心ではいられなくなる。