だけど、俺は教師でお前は生徒

「連絡しないで何日も家に帰らないなんて、弟の性格からしてもあり得ないんです。どんなことでもいいんです。あの子、転校したって聞いて……」



「俺は何も聞いてませんし、澤村はもう引っ越しを終えてますからね。でも、何か聞いたら、すぐ堀池先生にお知らせします」



用件は聞いたことだし、これでいいよな……。



「お話はお聞きしましたし、これで俺は失礼します」



俺の言葉に、慌てて、堀池先生は飲んでいたアイスコーヒーのグラスをテーブルに置いた。



なんだかんだと話が長くなるのだけは避けたい俺は、



テーブルに置かれた伝票を手に、席から立ち上がった。



「それでは、お先に……」



入口の扉に視線を移し、歩き出そうとした瞬間、



「待って、待ってくださいっ!!」



堀池先生に、手首をギュッと掴まれた。