「ゆきちゃん大好き」
思い出していると、
ぽろりと口から飛び出た言葉。
これは俺の口癖と言っても
過言ではない程、よく口にしていた。
だからやたらと馴染んだ台詞を、
口に出すと、明之がギョッとして、
こっちを見ていた。
「あ、ごめん。うっかり口に出た」
あの頃なら許されていたかもしれないけど
今言われても、キモイだけだろう。
だから謝ると、
明之は微妙な表情をしていた。
……確か手紙も、
こんなノリだった気がするんだ。
大好きだとか、
しまいにゃ結婚したいだとか。
普段そんな事を口走っていたから、
手紙もその延長だった。
『会いたい』とかは、
悲しくなるから書かなかった。
だから全部、嬉しい事だけ。
ゆきちゃんも、同じに返してくれたはず。
そんな手紙を、
やっぱり読んでみたくなった。



