明之は、ごめんと謝ってから、 「短冊、書いた?」 いよいよそう聞いてきた。 「……書けなかった」 「そっか」 ちょっと残念そうに言うから、 白紙だけど、短冊を出して見せた。 「ほら、ちゃんとしまっておいたんだ」 ただ、願い事が無いだけなんだ。 そう伝えると、 もっかい『そっか』と言って笑った。 「俺も飾れないから、大丈夫だよ」 そう言って、あの日のように笑った。 バイバイと言った、夕暮れのように。