「っていうかさ、
一緒に風呂入った事あったよね?」
打ちひしがれていると、
ゆきちゃんがそう言った。
「……多分裸は記憶から抹消されてる」
幼い俺も、
そんな訳は無い。
そう思いこんでいたのかもしれないし。
「……それじゃさ、俺の名前分かる?」
「……ゆきちゃん」
俺はずっとそう呼んでいた。
さん付けしなくても許されていたのは、
もしかすると男同士だったからかもしれない。
「あだ名じゃなくて」
「……ゆき?」
俺が答えると、ゆきちゃんは苦笑した。
「明之だよ」
「……あきゆき……」
バリバリの男の名前だった。



