佐奈のため息に反論しようと、意気込んだとき、佐奈の後ろに相沢の背中を見つけた。
「あ、相沢だ」
「ん?」
あたしの言葉に佐奈が振り返る。
「あらほんと。誰かと話してるっぽいね」
確かに。ここからは見えないけど、建物の陰に誰かいるみたい。
「あ、けど終わったっぽい」
誰かと話してた相沢は、陰にいる人に軽くお辞儀をして、反対側に歩いていくところだった。
これはあいつにあたしのやる気を見せ付けるいいチャンスかもっ!
「ちょっと宣戦布告してくる!」
あたしはそれだけ言って、相沢に向かってかけだした。
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