「好きなヤツって!?
誰だよ?
俺以外にも遊んでる男たちの誰かか?」


急に強く肩を揺さぶられ
その力強さにめまいを覚えた


が次の瞬間

「やめろ。」

低く響いた声とともに
沖田の手から解放され

変わりに
大きな温もりに包まれた

微かに香る薬品の匂いと
煙草のほろ苦さ…


その感覚が嬉しくて
涙がにじんだ


「あんた…!」


驚く沖田を見据えて
小松原は鋭く言い放つ


「俺がコイツの好きなヤツ。

遊びの男とは金輪際手を切る
だから
もうコイツにかかわるな。」


小松原の鋭い睨みに
沖田は暴言を残し
バイクで走り去った


私は放心状態のまま
小松原の胸に収まっている


「ったく…。
自分の気持ちに気付くの遅いんだよ。」


「え?」


「俺がどんだけ我慢したと思ってんだよ。」

上から降ってきたのは
予想外の言葉だった