「沖田君!?」


沖田はそのままこちらにやってきて
ジャニーズ顔負けの笑みを向ける


「先週は大丈夫でした?
無理させたから鈴さんが心配だったんだ。」


沖田の言葉は
先週の月曜日
私に盛大に遅刻した時の事を言っているのだろう


勘のいい小松原は
きっと沖田との夜の情事のせいで
私が遅刻したのだとわかるに違いない


そっと
小松原を見上げると

怒っているような
軽蔑する様な


冷たい視線を返された


え…


その射るように鋭い
瞳に見つめられた瞬間


ズキン!!


呼吸も出来ないほどの
胸の痛みい襲われた


「鈴さん?」


沖田の言葉を合図にしたかのように
小松原はスッと私から離れて行ってしまった


その遠くなる後ろ姿が
とてつもない寂しさを感じさせる


いやだ…


行かないで…


ふと
心に浮かんだ言葉


しかし

私は声にする事が出来ず

そのまま小松原の背中を見送った

胸は
張り裂けんばかりに悲鳴を上げ
痛みを訴えている