保健室で備品の整理をしていると

「真宮~。」
だるそうな声とともに
小松原が入ってきた

「ノックくらいしなさいよ。」

「へいへい。」

慣れた様子でソファに座る
表情から見ても
体調は回復しているのがわかった


「…昨日はサンキューな。
マジで助かったわ。」


「昨日あんた運ぶの
すごく大変だったんだから
特別手当もらうわよ?」


コーヒーを差し出しながら
私の向かい合うようにソファに座る


「いいよ。
なんでも言ってくれ。」



珍しく気前いいじゃん?


「じゃあ、コレ。
付き合ってくんない?」

私は小松原の前に
二枚のチケットを差し出した

「帝氷山個展…?」

小松原は「なんじゃそりゃ?」
といいながらチケットをマジマジと見つめた


「その帝氷山に誘われて一度だけ
食事したんだけど
色好きのとんでもないエロ爺で
金に物を言わせて
しつこく迫ってくるのよ。」


軽い気もちで近づいたのが大失敗だった
と料亭での一部始終を思いだしただけでも
吐き気を催す


ふすまを開けたら布団…
ってどこのドラマだっつうの!!


やっとのことで逃げ伸びたが
それからもしつこく連絡が絶えなかった