【短編】保健医の憂鬱

マンションの五階まで
小松原を運ぶのは
正直、殺意を覚えるくらいの重労働だった


エレベーターは使用したものの
脱力している大男を
飲料水などを買い込んだコンビニ袋と共に
半ば引きずるようにして足を進めた


寝室に小松原を投げ込んで
着替える様に指示し


キッチンを借りる

1LDKの広々とした
リビングダイニングキッチンは
キレイに生理整頓され逆に不気味だった


女でもいるのかな?

ま、関係ないか



そのままアイスノンと冷えぴた
を準備し

お粥を作った
いつだったか
「風邪ひいたときは卵粥だろ!?」

等と豪語していた小松原を思い出して
仕方なく卵粥にしてやった


全てをトレイに乗せて
寝室へ向かう


着替えたらしいヤツは
ベッドで唸っていた