【短編】保健医の憂鬱

「あれ…?俺…。」

寝ぼけているだろうヤツは
ゆっくりと起き上がった

「熱出して寝込んだたんだよ。
覚えてる?」


「…あぁ。
ここにきて薬のんだ。

ってか…もうこんな時間か。
ヤべぇな…。」

焦り出した小松原に
背広を投げて渡す

「教頭や化学科の先生たちには
事情は説明してあるから大丈夫よ。

さっさとそれ着て
帰る準備して。

あ、キー貸してね?
私車回してくるから。」


保健室を出ようとした私に
小松原が呼びとめる


「え?
なんで高宮が運転するの?」


「あんたみたいな病人ほっとけないでしょ?
事故でも起こされたら
たまったもんじゃない。

家まで車運転してあげるから
さっさと着替えて
校門に出てきてね。」



小松原はさらに何か言おうとしていたが
無視してドアを閉めた