砂漠に堕ちた天使 番外編

「わたしったら、自分の事ばかりで……ごめんなさい お兄様」



「あの男がお前に触れているのを楽しんでいたとでも思っているのか?」



視線が絡み合い、お互いの唇があと少しでつくという所でラシッドの動きが止まる。



「あの男をあの場で殺したいくらいだった」



怒りを内に秘めるだけで精一杯だった。



「お兄様……」



「この唇に触れられたのか?」



人差し指の腹で唇をなぞられる。



「……」



「消毒が必要だな」



何も言えないでいるわたしの唇はお兄様の唇に塞がれた。



見えるところにファラウラ達がいるなんてことはすっかり忘れて、わたしはお兄様の口付けにこたえた。