砂漠に堕ちた天使 番外編

「さあ、甘い汁まで吸いなさい」



グイッと果実を唇につけられて、莉世は仕方なく口を開いた。



オアシスでは食事の時は必ず、ラシッドにそうやって食べさせてもらったことを思いだす。



こんなわたし、見られたくない……。



「あぁ 甘い汁がもったいない」



そう言うと、驚くことにハサート王子は莉世の顔に顔を近づけ、顎についた汁を啄むように舐めたのだ。



莉世は目を見開いて驚いた。



ここで拒絶をすればハサート王子に恥をかかせてしまうことになる。



莉世はグッと我慢した。



ハサート王子の唇が離れると、莉世は消えてしまいたいほど恥ずかしく俯いた。



「わたしのリセは恥ずかしがり屋だな」



極めつけの言葉に莉世は思わず立ち上がった。



「わ、わたしはこれで退出させていただいてもよろしいでしょうか」



ハサートの婚約者とはいえ、国王に許可を取らなければ退出できない。