砂漠に堕ちた天使 番外編

剣の舞が終わると、莉世はハサート王子の隣に座らされた。



数メートル横にはラシッドがいる。



しかし、ほんの数メートル先なのに見えない壁があり、近づくことが出来ない。



そして、ラシッドとアーメッドの両側には美しい女たちがお酒を注いでいる。



「リセ、今日も素晴らしかった」



ハサート王子が嬉しそうに顔をほころばせて言う。



「ありがとうございます」



「貴方が誇らしい」



莉世の口元に甘い果実の実を近づける。



「甘いから食べてごらん」



ハサート王子の指からみずみずしい果実の汁がしたたり落ちそうだ。



「ハサートはリセに惚れこんどるな」



国王が目じりを下げてふたりを見て言う。



その声は大きく、近くにいたものなら聞こえているに違いない。