「何を作るの?」
スーパーから帰り、家に着いて先輩は早速キッチンで料理を始める。
「んー?内緒」
「‥‥」
材料を眺めてみるけど、さっぱりわからなかった。
―――たまごにほうれん草に牛乳に‥‥
何を作るんだろう?
「いつも侑に作ってもらってばっかだったしな。俺も料理作れるところ見せとかないと」
「‥作れるの?」
「作れるって」
いたずらっぽく言った私に自信満々で返してくるけど、先輩が一人暮らしでもほとんど料理をしていなかったのはもう知ってる。
住んでいる年数のわりにキッチンがきれいすぎるし、この家で料理し始めた頃はほとんど調理器具や調味料がなかったのだ。
そういったものは、侑が選んで少しずつ買い足していっていた。

