鮮やかなオレンジ色の光が街を照らし出す。ビルとビルの間からかすかに覗く太陽はほとんど沈みかけていて、黄昏時の薄暗さが辺りを包もうとしていた。
「直人、もう東京に戻っちゃったかな」
「んー、まだ大学夏休みじゃないみたいだしなぁ」
「そうだよね‥‥」
しゅん、と俯いてしまった私にいつもより低い、浩太の声が降ってきた。
「直人がいないと、寂しい?」
「うん‥」
「俺がいるのに?」
「え?」
顔を上げると、真剣な顔をした浩太の顔があった。
「浩太‥?」
並んで歩いていたはずなのに、いつのまにか立ち止まっていた浩太は正面から私を見下ろしていた。
「なぁ、直人がいないと寂しいのは、家族だから?侑にとって兄貴だから?」
「そ、う‥だよ?」
いきなり真剣な顔になったことも、質問の意味も。浩太がわからなくて、ただ戸惑ってしまう。
「じゃあ、俺は?」
「何が‥?」
「俺も、侑にとって兄貴でしかない?」
どういう意味‥?
ずっと、浩太の隣にいた。
浩太を全部、知っているつもりでいた。
なのに、今目の前にいる浩太は知らない人に見える。
「俺は、侑を妹と思ったことなんて、一度もない」
ズキン、と胸が痛んだ。
そう、私は浩太たちの本当の家族なんかじゃない。
名字も違って、養子ですらなくて、後見人となった浩太の両親が一緒に住まわせてくれているだけで。
「直人、もう東京に戻っちゃったかな」
「んー、まだ大学夏休みじゃないみたいだしなぁ」
「そうだよね‥‥」
しゅん、と俯いてしまった私にいつもより低い、浩太の声が降ってきた。
「直人がいないと、寂しい?」
「うん‥」
「俺がいるのに?」
「え?」
顔を上げると、真剣な顔をした浩太の顔があった。
「浩太‥?」
並んで歩いていたはずなのに、いつのまにか立ち止まっていた浩太は正面から私を見下ろしていた。
「なぁ、直人がいないと寂しいのは、家族だから?侑にとって兄貴だから?」
「そ、う‥だよ?」
いきなり真剣な顔になったことも、質問の意味も。浩太がわからなくて、ただ戸惑ってしまう。
「じゃあ、俺は?」
「何が‥?」
「俺も、侑にとって兄貴でしかない?」
どういう意味‥?
ずっと、浩太の隣にいた。
浩太を全部、知っているつもりでいた。
なのに、今目の前にいる浩太は知らない人に見える。
「俺は、侑を妹と思ったことなんて、一度もない」
ズキン、と胸が痛んだ。
そう、私は浩太たちの本当の家族なんかじゃない。
名字も違って、養子ですらなくて、後見人となった浩太の両親が一緒に住まわせてくれているだけで。

