「だって、侑がかわいいから」
私の呟きをしっかり聞いていたらしい。
というか。
「‥‥‥否定してください‥‥」
私で遊んでいることをあっさりと肯定している。
直人は頬を膨らます私を嬉しそうに見ている。
‥‥楽しそう
「直人の確信犯っ」
いじけてまた一生懸命食べることに集中し出す私に、今度は困ったように笑う。
「だって、侑はこんな時でないとかまってくれないだろう?」
下を向いたまま動けなくなった。
こちらへの目線を感じる。
それ以上、言わないで。
「侑」
やめて。
「‥‥‥父さんも母さんも会いたがってる」
「直人!!」
手元から、カシャン、とナイフとフォークがお皿に落ちる音がした。
ツーっと額から汗が流れ落ちる。
ドクドクと心臓のいやな音が耳に響く。
ゆっくり、ゆっくり顔を上げる。
叫ぶように掠れた声で怒鳴った私を、静かに、まっすぐ見つめる直人の瞳。
「‥‥やめて」
「侑」
揺らがない、直人の瞳。
やめて
「もう、俺を兄貴とは思ってくれないのか?」
深く
深く。
堕ちていく気がした。
心が、体が、悲鳴を上げる。
ねぇ、どうして
今さらそんなこと言うの?
ねぇ、どうして?
直人―――‥‥

