「侑?」
名前を呼ぶ直人の声にはっとする。
「また百面相してたよ」
はずかしい‥‥
クスクス笑いながら言う直人の言葉に顔が赤くなるのがわかる。
気を取り直していつのまにか入っていた店内を見渡す。
やっぱり高そうなお店‥‥‥
フランス料理だろうか。
直人と来るお店はいつも高そうで、こういうお店には未だに慣れることができないでいる。
いつものようにブランド物のスーツで颯爽と歩く直人には似合っているけれど。
直人が店員に軽く片手を上げると、奥のテーブルに案内された。
「予約してたの?」
「うん」
「私がご飯食べちゃってたらどうするつもりだったの?」
「んー‥どうしただろうねぇ」
のほほんとした答えに、小さくため息をついた。
相変わらずなんだから。
でも、変わっていない彼に安心してしまう。
「‥‥どうしたの?」
テーブルの上に肘をつき、指を組んでにこにこしながら私を見つめている。
「侑はかわいいなって」
「‥‥‥‥‥」
がくーっと全身から力が抜けるのを感じた。
膨らんだ風船から空気がシューっと抜けていくみたいな。
うん、知ってた。知ってたよ。
緊張感も何もなく、どこまでもマイペースで、こんな恥ずかしいことを恥ずかしげもなく言う人だって。
でも。でもね。
「私の緊張、返して‥‥」
うなだれながら思わず呟くと、
「やだなぁ、俺相手に緊張してたの?侑」
グラスに注がれたワインをゆっくり転がしながらふふっと無邪気に笑う。
「はい、俺たちの再会に乾杯」
掲げられた二つのグラスが、カチン、と小さく音を立てる。
「‥‥‥」
無言で小さく口を尖らせる私に、また微笑んで直人はワインを煽った。
直人といると、
「いつも手の上で転がされて遊ばれてる気がする」
ぼそっと呟くと、運ばれてきた料理を口に運ぶ。
野菜もお肉もおいしくて、それがまた悔しい。
名前を呼ぶ直人の声にはっとする。
「また百面相してたよ」
はずかしい‥‥
クスクス笑いながら言う直人の言葉に顔が赤くなるのがわかる。
気を取り直していつのまにか入っていた店内を見渡す。
やっぱり高そうなお店‥‥‥
フランス料理だろうか。
直人と来るお店はいつも高そうで、こういうお店には未だに慣れることができないでいる。
いつものようにブランド物のスーツで颯爽と歩く直人には似合っているけれど。
直人が店員に軽く片手を上げると、奥のテーブルに案内された。
「予約してたの?」
「うん」
「私がご飯食べちゃってたらどうするつもりだったの?」
「んー‥どうしただろうねぇ」
のほほんとした答えに、小さくため息をついた。
相変わらずなんだから。
でも、変わっていない彼に安心してしまう。
「‥‥どうしたの?」
テーブルの上に肘をつき、指を組んでにこにこしながら私を見つめている。
「侑はかわいいなって」
「‥‥‥‥‥」
がくーっと全身から力が抜けるのを感じた。
膨らんだ風船から空気がシューっと抜けていくみたいな。
うん、知ってた。知ってたよ。
緊張感も何もなく、どこまでもマイペースで、こんな恥ずかしいことを恥ずかしげもなく言う人だって。
でも。でもね。
「私の緊張、返して‥‥」
うなだれながら思わず呟くと、
「やだなぁ、俺相手に緊張してたの?侑」
グラスに注がれたワインをゆっくり転がしながらふふっと無邪気に笑う。
「はい、俺たちの再会に乾杯」
掲げられた二つのグラスが、カチン、と小さく音を立てる。
「‥‥‥」
無言で小さく口を尖らせる私に、また微笑んで直人はワインを煽った。
直人といると、
「いつも手の上で転がされて遊ばれてる気がする」
ぼそっと呟くと、運ばれてきた料理を口に運ぶ。
野菜もお肉もおいしくて、それがまた悔しい。

