「結局さ、彼女が出来た所で、こっちはこっちでやらないといけないことに追われて、相手してやれる時間がないんだよな。私も妹に会ってみたいだとか、遊びに来たいだとか、そんなことを言われても、俺のテリトリーの中に入れたくないんだよ。俺の中でいちばん大事にしたいのは、相手から冷たいって言われようが、ミノリだし」
その彼女だった子は、大学に入って間もなく知り合った子で、わりと気の合う女の子だった。
ミノリが保育園の年長に上がって、その春先に……突然という訳でもなかったが、なんとなく付き合うという形になった。
ただ、年長にもなると、後半はやたらと保育園行事が結構あって、習い事も幾つかに増やしていたから、彼女に割ける時間というのは、大学にいる時間くらいなもので。
最初はそうでもなかったが、外で会うことを求めて来る彼女に対して、応えずにいた。
勿論、時間があるときは、街中をぶらぶらしたり、軽くドライブなんかもしたりはしたけど。
やっぱり、時間があれば家事もしておきたいし、ミノリとどこかに出掛けたいし。
ただ、彼女を交えて、なんて考えは俺には全くなく。
それは、皆無だった。

