「なあ、例えばさ、ミノリがラブレターなんてもらって来たら涼介どうするよ?」
「ラブレターって、今時の小僧が、書くか?」
「ならさ、○○君に好きって言われたーとかさ、そんな報告してきたらどうする?」
「…………」
ミノリが誰かに好きだと言われる?
全く異性に相手にされないと考えると、それはそれでちょっと引っ掛かるが。
だが、まだそういうのは当分いいだろうと思う。
例えばでも、考えたくない。
『お兄ちゃん、私、おなじクラスの○○君に好きって言われたんだ』
ニコッと嬉しそうに言うミノリを――
『…………』
考えたくはなかったが、想像をしてみた。
が、想像の中の俺も、無言だった。
情けない。
誰かから好かれるという事は、好意を持たれている事な訳だから、喜ばしいことではあるが。
ミノリは誰のとこにも嫁にはやらん!
なんて、そんな頑固親父になる気はないが……。
やはり俺には、受け入れ難いというのがリアル心情だ。
「あーでも逆もあるんだよな」
「逆ってなんだ?」
「お兄ちゃん、○○君て男の子を好きになっちゃった……みたいな」
「…………」
誠二の例えばの話しに、血管が軽く浮き上がったのが自分でも分かった。

