リーゼントに恋をした‐番外編‐




「なぁ、どうする?」


「……ん?」



誠二からかけられた得体の知れぬその問いかけに、ゆっくりとミノリから誠二に視線を動かした。


どうやら誠二もミノリの背中を見ていたらしく、その背中を見つめたまま――…



「ミノリがいきなり、おにーちゃん、カレシだよ。なんて言って家に少年を連れて来たら」


「――… はっ?」


「近頃の子は、小学生でも、カレシだとかって騒ぐらしいぞ」


「なん……だよ……それ」


「マセてんだよなー、なんか」


「どっからの情報だよ」


「この間さ、田野さんとこの子どもがさ、女の子と手繋いで近所歩いてたんだよ」


「田野さんの子どもって――、コースケか?」


「ああ、そうそう! んでさ、挨拶して来たから、仲いいなーってちょっと茶化したら、俺のカノジョだって」


「は? コースケってまだ小4だぞ? なんだ、彼女って」


「だろ、そう思うだろ? だけど今はそんな時代なんだよ。俺らが小学生の時とは、違うんだよな」


「…………」



ミノリと同じ通学班の、あのコースケに彼女?


ランドセルを背負った、あの少年が?


冬に鼻を垂らしていた、あの小僧が?


全くピンと来ない。


小学生でのそういうのって、所謂……ごっこ的な、そんな感じなのか?