幼心にも、変に気を遣うという術を身に付けている。
単純に俺よりも誠二の方が好きなのかも知れないが……なんとなく面白くない。
「ありがとなー」
普段は見せないような特上のスマイルをミノリに向けた誠二はミノリの頭を軽く撫でてる。
ミノリもいつも以上に目を輝かせているように見えるのは、きっと陽が照っているからだと思いたい。
「ミノリ、この帽子かぶっておきな」
「あっ、はーい」
最近、なにか言うと、「あ、」というのが、やたらと返事の前に付く。
こういうのは、癖になる前に言っておかないとだと思いながらも、
なかなかどうしたもんか……な日常だ。
「おにーちゃん、おっきい四つ葉さがしてきてあげるからね」
「そりゃ楽しみだな」
俺は帽子をかぶらせて、去っていくその背中をみつめた。
まだまだ小さい女の子だけど、もう7歳だ。
やっと7歳って気持ちは全くない。
ミノリが生まれた当時、中3だった俺も、今じゃ大学4年生。
世間から学生と認識をされることは終わりへと向かっている。

